宗教朝礼 9月10日

宗教朝礼 910日(月)

 おはようございます。

 今日は、ある本の紹介をしたいと思います。子供向けの本でイラストが沢山載っています。

題名は「同級生は外国人!?多文化共生を考えよう」です。監修は、吉富志津代(よしとみ しづよ)さん(名古屋外国語大学世界共生学部教授)です。

 グローバリゼーションが日本でも進んでいますが。多くの教室でベトナムや中国・アメリカ・韓国・ブラジルから来た生徒と学んでいるケースが増えて来ました。

 大人の中には、未だに外国の人々に対して偏見や差別意識を持っている人がいます。大人の価値観をこれから変える残念ながらかなり難しいですが、子供達なら心の柔らかいうちに「多文化共生」について学べば、様々な国の人々と円滑なコミュニケーションが取れると信じてこの本は生まれました。  これから、この本から例を3つ挙げます。皆さん、ちょっと考えて見てください。

 1つ目の例;中国人のリン君(小学5年)は、遠足の時、お弁当に食パンとゆで卵を持ってきました。「わたし」は、リン君のお母さんが、お弁当を作ってくれなかったのだと思い、自分の唐揚げを一つあげようと思いました。でもリン君は、困った顔をして受け取ってくれませんでした。

 2つ目;スリランカ人のナヤナさん(小学6年)は、いつも頭にスカーフを巻いています。体育の授業もレギンスを履いています。給食の時間は、給食を食べずに、お弁当を持って来ます。
 3つ目;ベトナム人のバオ君(小学4年)は、皆で博物館に行く時、バスの優先席に座ろうとしました。

 何も知らない子供たちが、リン君やナヤナさんバオ君に出会ったら、「感じが悪い」 「規則を守らない」 「変な子だな」と思うかもしれません。

 実際に、大人と同様に、子どもたちの世界でも、外見や異なる文化・習慣を背景に持つ子どもへのいじめや排除が行われ、自殺者も出る事態になっています。

 1番目のリン君の場合、中国では冷えたご飯やおかずは、体に悪いと考えられていて、食べる習慣がないそうです。そのため冷めた唐揚げも受け取れなかったのだそうです。
 2番目のナヤナさんの場合は、自分が大切に思っているイスラームの教義に基づいて服を整え、食事をしていました。皆さんは、198910月フランスの公立学校に通う3人のイスラーム教徒の女子中学生がスカーフを着用して登校し、学校からの再度の勧告にも関わらずスカーフ着用を通したため、退学処分となった「スカーフ事件」を知っていますか。この事件は、公教育と宗教教育を合わせて行う難しさを教えてくれた事件でした。
 3つ目のバオ君のケースでは、ベトナムでは高齢者に席を譲ることが当たり前なので、バオ君は「優先席」の意味が分からなかったのでこのようなことが起こりました。

「優先席」とは素敵なアイディアでもなんでもなく、最近の日本人が、お年寄りや妊婦さんや怪我をした人々を思いやって、席を譲らない現実から考えられた苦肉の策と考えることもできます。

 この3つのケースからだけでも、異文化を理解し、多文化共生を早くから学ぶことが、これからの時代、様々な立場の人々と生きて行くために必要なことだと理解できると思います。

 これで私の話を終わります。立ちましょう。

異なった文化で育った人々を進んで理解できるようにまた、

台風21号で被災された関西の方々、また北海道地震で被災された方々のために祈りましょう。